アンジョナナ・晴れない十月

Last-modified: Tue, 21 Jan 2025 18:48:31 JST (637d)
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迷いと、恐怖と、彷徨い
過去という名の迷宮、目的地のない逃亡の旅
夢はいつか、尽きる時が来るのだろうか?

期間2025年1月9日(木)アップデート後~2月20日(木)4:59
開放条件メインストーリー「われらの時代」をクリア
報酬雨の雫、育成用素材

作中年代について

1話は彼女が「ぬくもりの館」に居た頃の回想だが、8章「悲しき熱帯」内の「アンジョナナの分れ道II」でアンジョナナが「ぬくもりの館」を訪れたのが1943年というのが判る。また、4話でキテリアがアンジョナナと出会ったのが20年前と語っており、8話の回想からそれが「ぬくもりの館」であるのが判る。キテリアの発言が正確に20年前を指しているならば1~7話は1963年という事になる。4話のパレードが開かれているナザレ大祭は10月の第2日曜であり、1963年なら10月13日である。

ナザレ大祭(Cirio De Nazaré)

ブラジル北部の町、ベレンで毎年10月の第2日曜日に開催される祭り。1793年から続く伝統的行事で、「ナザレの聖母像」を祀ったパレードが市内を練り歩く。4話では「ぬくもりの館」の近くでパレードが行われているような描写があり、物語の舞台はベレンかその近傍であろう。

1960年頃のナザレ大祭・Fragmentos de Belém: uma antologia da cidade掲載写真より

モアシール発言の矛盾?

8章小道でアンジョナナの指名手配は姉のマタ・ハリが処刑された1917年とされている。7話のモアシールの発言「あれから25年も経ったんだぞ」は文脈から指名手配の写真の姿を指していると思われるが、それでは作中年代がアンジョナナが「ぬくもりの館」を訪れる前の1942年になってしまう。1963年から25年遡ると1937年だが、単にその時期にモアシールがジャグンソになり、初めてアンジョナナの写真を見たというだけだろうか?

政府の「チビ」

老人Iの発言「政府軍? あの『チビ』の部下か?」と続く老人IIの発言「お前はボケたのか。奴はとっくにパレスで自殺しただろ。今は軍部が政権を握っている」で言及される「チビ」とは恐らくブラジル第14代・17代大統領の「ジェトゥリオ・ヴァルガス」である。彼の身長は157cmしかなく、学生時代にその容姿について仇名を付けられ揶揄された逸話が残っている。また2度目の大統領任期中である1954年に進退に窮して公邸のカテテ宮殿(The Catete Palace)で拳銃自殺を遂げている。
モアシールの語る「リオグランデ・ド・スルの武装蜂起」とは恐らく1930年のヴァルガスによる軍事クーデターであり、この勝利により彼は最初の政柄を握ることになる。
バストス大佐が現政府と政府軍に悪感情を持っているのは、1930年クーデターによって成立したヴァルガスの独裁政権を、やはりクーデターによって覆して成立した政権が現政府のルーツ(ブラジル第4共和政)であるためだろう。第4共和政下でもヴァルガスは大統領に就任しているが、独裁制時代とは政治思想を大きく異にしており、大佐が30年代のヴァルガスの思想に共感を抱いているなら、「第4共和政下の政治家として」のヴァルガスを讃えるモアシールに好感は抱かないだろう。

1951年のヴァルガス。2期目の大統領を務めている頃である。ウィキメディア・コモンズより

「ミルレイス」と「レイス」

2話でバストス大佐が賭け代として差し出した「ミルレイス」と「レイス」はデノミのため1942年に廃止された通貨で、20年以上前の通貨ということになる。